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京さんのこと

自称霊媒、自称霊感者、自称霊術師、自称能力者──そんな看板を掲げて商売にしてい る人はたくさんいる。宗教や心霊問題にかかわる文筆をなりわいとしてきた関係で、私は そうした人々と何度も接点をもってきた。 けれども「これはホンモノだ」と思った人は、一部の故人を除けば一人もいない。神霊 ・神仏世界とリアルに交流できる人間そのものは、たしかに存在する。けれどもその数は きわめて少ないのだ。 梨岡京美(以下、いつもの呼び方の「京さん」で書いていく)は、まさに数少ないホン モノの一人だった。そのことを確認し、納得するのに、私は丸4年を費やした。それから ようやく、『霊視の人』を書いた。 ホンモノとニセモノは何が違うのか。 ニセモノは、宗教知識や、占術や、経文祝詞の類や、お札や、神霊憑りと称するガラク タのオブジェや、先人が体得した霊術など、さまざまなゴタゴタした“アクセサリー”で 偽装し、おのれの能力の欠如を覆い隠している。 けれどもホンモノには、そうした偽装物は原則必要ない。修行の開け具合に応じた教え が、神霊のほうから映像として、言葉として、ほんとうに直接降りて来る。また、人間に は感知できない神霊同士のやりとりで、そのときどきに必要な人物が、自ずとあてがわれ る。生きている者だけではない。京さんの場合には、彼女には未知の人物だった宮地水位、 金井南龍、出口王仁三郎らの故人霊が、そうやって現れた。当人はそこで学び、霊視・霊 聴し、次の地点に向けて前に進んでいく。これがホンモノの道行きなのだ。 ほんらい無一物の白紙の状態──京さんは、まさにこの流儀で進んできた。彼女を導い ている神霊は、念の入ったことに“黒板消し”まで用意した。彼女が受信機となって霊視 ・霊聴で受けとった知識の多くが、彼女の記憶の中からきれいさっぱり消し去られるのだ。 そのおかげで、彼女は無意識に蓄積された知識によって惑わされ、穢されるという、受 信機にとってはけっして望ましくない事態から免れることができている。審神者役をおお せつかっている私にとっても、これほどありがたいことはない。 かつては妻であり母であった彼女が、夫を捨て家を捨ててこの道に入らざるをえなくな ったのは、神霊からの執拗で強制的な網かけがあったからだ。 妻でも母でもなく、神嫁になってくれという神霊からの声なき頼みごとを、最初のころ、 京さんは強く拒んでいた。将来やりたいと思っていることもあった。けれど、自分ではコ ントロールできない心霊現象や様々な病気などが重なって、ついに拒みきれないところま できたとき、彼女は「ええい、ままよ」と召命を受け入れた。そこから、霊媒と鴻里三宝 大荒神社を預かる社司としての人生が始まった。 京さん、ナチュラルスピリット社主の今井博樹、不二龍彦の三人は、四年ほど前から、 自然霊の要請と指導を受けて、日本各地の霊山や海や一部の神さびた神域を巡り、その時 点でのわれわれの開け具合に応じた教えを神霊から受けるという旅を続けている。 訪れた場所は、すでに数百箇所を数える。パワースポットなどというありもしない妄想 由来の霊域ではない。真の霊域には「感じる」などという曖昧さは微塵もない。そこに霊 物がいれば見える、聞こえる。いなければ何もないという明々白々な世界だ。 そうした世界を次々と巡らされているのは、最初の本を書いて以降、神霊の側から「事 実を出せ、真実を出せ」と強く要請されるようになり、必要な情報を得るためには必ず現 - 2 - 地に足を運ばなければならない流れになっているからだ。 そのための受信機役を、京さんは今日まで、黙々とこなしてくれている。 もうひとつ、京さんには、鴻里三宝大荒神社の社司としての仕事がある。 彼女が神社の代表に座ってから、御祭神に鎮座していいただくための新たな奥の院が完 成し、今年七月には拝殿の新築も成った。いずれも金策が立っていない中で京さんが「や る」と決め、健造の過程で算段がたっていくという綱渡りの創建だったが、そこには確か に神霊からの目に見えない冥助があった。 この拝殿の新築と連動して、いままで自分が何者かについてなにも語ることのなかった 主祭神から、数々の稀有な教えがもたらされ始めている。この社司としての奉仕も、霊査 の旅と完全に連動している。 さらにもうひとつ、京さんには、故人霊とのやりとりを介して、先祖さんの訴えや願い 事を子孫に伝え、ときに霊術を使い、両者ともに笑顔で暮らせるようお手伝いをするとい う、霊媒としての仕事がある。この仕事は、京さんがこの世界に入った当初から継続して やらされてきたことで、彼女自身を磨くための人助けの行にほかならない。 京さんは、いま転機を迎えている。どうやら助走期間を終えて、次の段階へと進む時を 迎えているらしい。このホームページも、そうした状況の変化の表れのひとつなのだろう。 京さんが入っていこうとしているさらなる神霊界の奥処が、より精細精緻で、よりいっそ う豊潤なものであるよう、強く祈念してやまない。

二〇二四年八月 不二龍彦

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